佛陀 【復刻版】

全1巻
浅野研眞個人誌〈1933年〜1939年〉

【解説】
菊池 正治(久留米大学教授)
【推薦】
赤松 徹眞(龍谷大学学長)
長谷川 匡俊(淑徳大学理事長)

体裁/A4判、上製・2面付け、総525頁
定価/25,000円(+税)
ISBN/978-4-906943-19-7
刊行年月/2013年6月

本の内容

十五年戦争下における一仏教徒の軌跡をたどり、仏教の戦争協力と戦争責任を検証する─

 浅野研眞の晩年の個人誌『仏陀』は、1933年9月から1939年6月まで続いた月刊誌である(通巻69号)。
 創刊の意図は大乗仏教の精神と歴史上の仏教者の救護活動に学びながら、現代社会に理想の「社会案」を提示・実践しようとするものであった。聖徳太子の教えから抽出した「農村寺院のセツルメント化」論や広く青年層に呼びかけた「佛教社会学院」の開設などは、現在においても注目に値する。
 しかし昭和初頭にマルクス主義的立場にあった浅野の思想は、時代とともに推移し、国家主義的な宗教観へと変化していく。
 十五年戦争下における浅野個人の思想と行動を読み解き、同時に、仏教の戦争責任を考察する稀少な資料として全号を復刻する次第である。