ルポルタージュ 日本の証言 【復刻版】

全9冊・別冊1・付録1
現在の会 編〈1955年〉

【解題】
鳥羽 耕司(早稲田大学教授)
【推薦】
小田 三月(作家)
鈴木 勝雄(東京国立近代美術館主任研究員)

体裁/新書判、並製(別冊及び付録はB6判・並製)、約1,000頁
ISBN/906943-80-7
揃定価/45,000円(+税)
刊行年月/2014年12月
付録/『内灘―その砂丘にえがく新しい歴史』

本の内容

われわれは今、奪われた未来をとりかえすために、祖国の深部に向つて出発しようとしている。
言葉の靴をはいて―空をとぶ靴、地にもぐる靴。
そこはしかし、まだ暗く、いたるところに目に見えない壁が張りめぐらされている。工場と工場の間、町と町との間、魂と魂との間に。
われわれは闇にむかつて光の薪を投げるもの。
地図のないところにわれわれの地図を創りだそう。
(刊行のことばより)

安部公房らが率いた若い作家や画家の集団「現在の会」。
会にとってルポルタージュの手法は現在から未来へと志向する糧であった。
彼らの戦後文学運動の到達点を、関連資料を付して復刻する。


▼収録内容

1 原子力
 (著者 柾木恭介/絵 池田龍雄) 
2 にしんー凶漁地帯を行くー
 (著者 安東次男/絵 安部真知)
3 米作地帯ー土の中に眠つてはいないー
 (著者 斎藤芳郎/絵 中谷泰)
4 夜学生
 (著者 戸石泰一/写真 園田正)
5 刑務所
 (著者 小林 勝/絵 勅使河原宏)
6 鉄―オモチャの世界―
 (著者 関根 弘/絵 池田龍雄)
7 せんぷりせんじが笑った!
 (著者 上野英信/絵 千田梅二)
8 村の選挙
 (著者 杉浦明平/絵 池田龍雄)
補 ルポルタージュとは何か
 (著者 安部公房、小林勝、エゴン・エルヴィン・キッシュ、ラデイスラフ・ブブリーク/訳者 針生一郎)